2020.08.12

楽天、第2四半期のショッピングEC流通総額は48.1%増 「コロナ」「39ショップ」「自社物流」が成長要因に

オンラインで実施した決算説明会で三木谷浩史社長が説明

楽天が8月11日に発表した2020年4−6月期(純第2四半期)における「楽天市場」や自社ECなどによるショッピングEコマース流通総額は、前年同期比48.1%増となった。コロナ禍で消費者がオンラインへ移行したことで成長が加速している。



ショッピングEコマースにおける純第2四半期の新規購入者数は前年同期比63.1%増となり、1年以上購入がなかった既存ユーザーによる購入を示す復活購入者数も前年同期比80.9%増と伸びている。



「楽天トラベル」や「楽天GORA」などコロナでマイナスの影響を受けているサービスもあるが、それらを含んだ純第2四半期における国内EC流通総額は、前年同期比15.2%増となっている。



2020年1−6月期(第2四半期)における国内EC流通総額は、前年同期比12.5%増の1兆9580億円だった。



「39ショップ」の伸長が顕著


楽天の三木谷浩史社長は、「コロナの第一波が終わった後、緊急事態宣言が終わった後も成長をキープしている」と強調する。特に「39ショップ」と呼んでいる3980円の送料無料ラインに対応している店舗が伸びているという。

「『39ショップ』に(楽天市場に出店している)80%以上の店舗が参加している。ここの成長が強い。一時の成長というよりは継続的な成長だと考えている。『39ショップ』とそうでない店舗の成長率は約20ポイントの開きがある」(三木谷社長)と説明する。


「RSL」で複数店舗の同梱サービス提供へ


送料無料ラインの導入で利用が拡大している「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」の利用店舗の売り上げも伸びている。70%以上の商品をRSLで出荷している店舗は、純第2四半期における全店舗の成長率よりも35.9ポイント高い。RSLに対応することで、翌日配送サービス「あす楽」に対応したり、丁寧な梱包を実現したり、物流・配送関連のコストを削減できたりすることで、売り上げ拡大につながっているという。

2020年末にはRSL対応店舗は「予定配達時間のお知らせ機能」を導入できる見通しだ。さらにRSL対応店舗の複数店舗で購入した商品を1つに梱包して配送するサービスも提供する予定だという。



6月15日にはRSLの新倉庫が千葉・習志野で稼働しており、2021年上期には神奈川・中央林間に自動化設備を導入した新倉庫が稼働予定だ。



連結売上は拡大もモバイル投資かさみ赤字に


楽天は第2四半期の連結売上高も前年同期比15.7%増の6787億6800万円と拡大している。三木谷社長は、「楽天はポートフォリオが分散しており、オンラインビジネスが中心であるため、コロナ禍でも業績は順調に推移した」と説明している。

EC領域以外でも「楽天カード」は6月に会員数が2000万人を超え、ショッピング取扱高も伸長している。「Rakuten TV」「Rakuten VIKI」などデジタルエンターテイメントもユーザー数をの伸ばしている。

楽天モバイルはサービスの本格開始から3カ月間で契約申込数が100万回線を超えるなど順調に推移している。7月17日から新CMを放送しており、さらなる契約獲得を目指している。

モバイルや物流への投資におり、連結業績における純損益は274億円の赤字に転落している。

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