2020.08.07

【注目通販企業に聞く】BookLive 淡野正社長「在宅率高まり女性ファン急増」

淡野正社長


電子書籍ストア「BookLive!(ブックライブ)」を運営するBookLiveは、ストア事業の売り上げが堅調に推移している。割引やキャンペーンなど、かねてから行ってきた施策に加え、コロナ禍による在宅率の高まりが売り上げを押し上げている。2020年3月期のストア事業の売上高は、前期比約2割増だった。淡野正社長に、これまで取り組んできたプロモーションや今後の施策を聞いた。


CM効果で売上増

――今期(2021年3月期)の売り上げ推移はどうか。

対前年比でかなり伸びている。5月度の売り上げは前年同月比約45%増、4月度と6月度は同約30%増で推移している。7月30日現在、7月度も同30%増で着地する見込みだ。5月度の伸長が顕著だったのは、5月2日~17日の間に行ったテレビCMの効果が大きいとみている。コロナ禍の影響で在宅率が高かったことも後押しした。

4月、6月、7月の売上高が30%増で推移したのは、昨年度から行ってきた施策の効果が大きく、コロナ禍による巣ごもり需要の影響はその半分程度と捉えている。電子書籍市場としては、業界全体でコロナ禍が売り上げ拡大の一因になっているといえる。

――在宅率の高まりを意識した施策は行ったのか。

3月2日から2週間、全作品に使える20%割引クーポンを発行した。在宅で本を読む人に手軽に読んでいただきたいという思いからだ。全作品を対象としたため、お客さまは好みの作品を選べる。この割引クーポンの配布は手応えがあった。在宅率の高まりに伴い利用率も高かった。

――足元の施策も、コロナ禍を意識したものが多いのか。

コロナを特別に意識した施策は行っていない。通常通りのプロモーションを行ってきた。お客さまの読みやすさ、作品の購入しやすさを追求している。購入した作品のレビューを書いてくれたお客さまにポイントを付与したり、10巻分を全て無料で試し読みできる企画のほか、「試し読み」ボタンをクリックしなくても、作品のサムネイルをスクロールするだけで試し読みができる機能などを実装した。

――施策の手応えはどうか。

サイトの利用率が全体的に増加しており、手応えを感じる。当社が選出した漫画を、作品によっては10巻前後読める「極上無料」企画は、2019年10月に開始した。作品によっては、「極上無料」の期間中、通常と比較して課金率が20倍になった例もある。

作品のサムネイルを左右にスクロールするだけで試し読みできる機能は、7月下旬から実装を開始した。スクロールによる試し読みは現在、スマホでブラウザーからアクセスするときにだけ対応している。今は一部の作品に限定しているが、今後は作品を増やしていく。過激な表現のある作品は対応を控えるなど配慮も行っていく。

漫画は、一度読むと続きが読みたくなるもの。お試しでたくさん読めると、また続きが読みたくなる。効果はこれから表れてくると思っている。

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