2020.08.13

【注目通販企業に聞く】コスメ・コム 本橋未来社長「デジタルでも店頭同様の顧客体験を」

本橋未来社長


化粧品の口コミサイト「@コスメ」で有名なアイスタイルは、グループのコスメ・コムが、ECサイト「@コスメショッピング」を運営している。「アットコスメショッピング」の2019年6月期売上高は、前期比約40%増の約31億円とみられる。2019年7月―2020年3月期(第3四半期)の同連結売上高は前年同期比約51%増の12億1300万円だった。コロナ禍による店舗売り上げの打撃は小さくないが、一方でEC事業の売り上げ伸長が顕著だ。今後もECの利用拡大が期待される。コスメ・コムの本橋未来社長に、非対面接客時代を迎えた化粧品ブランドへの思いと、足元の取り組みを聞いた。


ECでオンライン接客を強化


――コロナ禍の影響により、顧客が店舗に来店しにくい状況が続いている。化粧品事業者はECへの流入拡大を重要視する傾向が強いが、アイスタイルはどのように考えているか。

アイスタイルとしては、ECでも店舗でも、お客さまの望む買い方で商品を購入できる場を作るという基本方針は変わらない。特に、これからはECでもお客さまが店頭での買い物に近い顧客体験ができるように力を入れていく。オンライン接客などを強化していく方針だ。

コロナ禍の到来により、店頭に訪れたお客さまがこれまで当たり前にできた顧客体験が失われてしまった。店頭での顧客体験とは、「商品を試したい」「まずはパッケージの実物を見てみたい」といった要望を満たしたり、商品を手に取って、美容部員とやり取りしながら買い物することだ。

店頭で販売する化粧品ブランドは、美容部員によるカウンセリングなど、店頭ならではのサービスを付加価値として提供している。そういう意味では、ECと比べて価格訴求は小さい。デジタルでもそうした顧客体験を生み出すため、化粧品ブランドがデジタルを通じた非対面接客をするためのサポートを進めている。

従来通りの店頭の営業が難しい今、お客さまが化粧品ブランドから離れてしまう理由として、「買いたくても買えない」ことが挙げられる。店頭のスタッフからも、店頭で購入できない既存のお客さまを思い、ECにお客さまを促す意識が高まっている。

店舗で買い物がしづらい状況のため、4月の緊急事態宣言以降、お客さまによるECのニーズの高まりが顕著に表れてきた。当社はこれまでも、デジタルを通じた接客を意識してきた。コロナ禍では、それが強制的に前倒しになったイメージだ。


RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事