2020.08.08

【注目通販企業に聞く】 カタログハウス 松尾隆久社長「固定客との関係を維持する」

松尾隆久社長


カタログハウスの2020年3月期は、売上高が前期比5.8%減の245億8000万円、営業利益は10億9000万円で2年ぶりに黒字を計上した。就任2年目を迎えた松尾隆久社長に、前期業績の要因や今期の計画を聞いた。


養生食品などリピート強化


――前期(20年3月期)の業績を振り返っていただきたい。

上半期は積極的に新規のお客さま獲得に投資した。けれども、その前の期(2019年3月期)が赤字決算だったので、黒字も確保しなければいけないということで、下半期は広告費を抑えた。その分が売り上げ減少に影響した。

ーー前年上半期に新規顧客を獲得した際は、新聞折り込みチラシが中心だったのか。

新聞折り込みチラシとテレビだ。新規顧客獲得数はある程度確保できた。しかし、これ以上広告費をかけると2期連続の営業損失になる可能性があったので、それは避けたかった。上半期で新規獲得という貯金がある程度できたので、下期は広告費を抑えた。新規を取りに行くには外部媒体を使わなければならない。現状、外部媒体である程度効果が見込める媒体は新聞折り込みかテレビになるだろう。ウェブ単独で新規を取りにいくのは難しい。現実的には新聞や雑誌広告もあるが、紙媒体は総じて部数が減少している。

――カタログハウスというとロングセラー商品が中心というイメージが強い。

その通りだが、だからこそ新規のお客さまは必要だ。新規のお客さまがいてこそ定番商品が生きるからだ。新しいお客さまは常に必要だ。今、力を入れているのは食品なども含めたリピート商品だ。ただ、社の方針としてサプリメントは扱っていない。取り扱っているのは自然に近い食品、いわゆる養生食品だ。

――オリジナル商品の開発も力を入れているのか。

そう簡単には開発できない。現在はインターネットの時代だから、仮に1年間をかけて新商品を開発したとしても、すぐに類似商品が出てくる。新商品開発の最も大きな目的は、「通販生活」の新鮮味を作っていかなければいけないということだ。新鮮味をいかに出すかというのは永遠のテーマであって、そのために試行錯誤しているのが現実だ。それは誌面も同じだ。商品と表現は、お客さまや読者が読んで、毎号楽しみにしてもらえるものを作るかどうかの両輪だ。お客さまに飽きさせないために、常に試行錯誤していかなければいけない。


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