2020.03.06

【楽天SOY2019】127店が語った”楽天攻略法” <受賞店に「成長要因」「送料無料対策」を聞いた>




[8]ジャンル賞(リテール)



■ パソコン・周辺機器《大賞》 「HP Directplus 楽天市場店」
〈「ダブルイヤー賞」も受賞〉


EC営業部 中村薫氏

若年層向けにPCを販売

新規顧客の獲得を積極的に行ったことが受賞につながった。通常の楽天のセールだけでなく、「店長の誕生日セール」など目新しい企画と新商品の拡充、キャラクターとの共同企画で、新規顧客が増えた。2020年は若年層の取り込みを強化したい。調査では若者のPCの使用率が上がっているので、若者向けに動画の編集機能などを追加したパソコンを販売していきたい。
 
 
 
■ パソコン・周辺機器 「コンプモト 楽天市場店」


代表取締役 葛西豊喜氏

PCと青森の特産品販売

青森・弘前に本社を置く当店ではパソコン・スマホ関連製品だけでなく、青森の特産物も販売している。リンゴジュースを買った顧客が、マウスを買わないわけはなく、両者の相性は非常に良いと考えている。今年はさらにパソコン関連の品ぞろえを増やす。一方で、青森特産品の分野では、これまで販売していなかった、リンゴなどの「生もの」の販売にも取り組んでいきたい。
 
 

■ パソコン・周辺機器 「オフィス文具堂」


店長 只野晶代氏

シュレッダーが売れ筋に

当店は主に法人のお客さま向けに、オフィス用品や収納棚などを販売している。SOYは2度目の受賞だが、「あす楽」対象の商品を拡充するなど、配送面の強化を行ったことが、受賞につながった。2019年はオフィス会議用の液晶テレビや、シュレッダーが売れ筋商品となった。2020年はこれらのPB商品も強化し、売り上げ30%増を目指して取り組んでいく。
 
 

■ TV・オーディオ・カメラ 「ディーライズ 2号店」


代表取締役社長 貴島康博氏

売上は40%以上の増進

これまで行ってきたことのボトムアップに努めた1年だった。そのかいもあり、売上高は前年比40~50%増と大幅に伸長した。2年連続の受賞となるが、大賞を取れなかったことは残念。今年は、6月まで月まで行われるキャッシュレス支払いへの5%還元も追い風となる。楽天さん側でも大きく周知する中、ディーライズとしてどれくらい噛み合わせていけるかが重要になる。



■ TV・オーディオ・カメラ 「ウインクデジタル 楽天市場店」


Eコマース課・課長 千葉恭平氏

需要予測で販売増

昨年も賞をいただき、これまでと同様に、当社はテレビ類の販促が強いので、そこをしっかり伸ばせた。売り上げで言えば昨年よりも20%は増えたと思う。需要予測をしっかりと行えたことが大きい。販促と同時に、在庫管理もしっかりとできた。今年は、オリンピックの需要もある。オリンピックの開催までが勝負なので、販売が伸びるタイミングや時期を見計らって、販促を強化していく。



■ おもちゃ・ホビー・ゲーム 「ハピネット・オンライン」


店長 横野香織氏

売価の設定を徹底

品ぞろえの拡充と売価の設定を徹底して行った。楽天の場合、ポイントとクーポン、売価、送料を掛け合わせて値付けをする。その値付けは競合の調査を含め、日々対応していった。同時に、顧客が何を求めているのかなどのニーズもしっかりと調査していった。当社にはギフト需要もあり、継続してラッピングサービスを実施できているのは強みと考える。



■ おもちゃ・ホビー・ゲーム 「ゲオオンラインストア 楽天市場店」


メディア事業企画部 EC・WEB企画課 マネージャー 新野翼氏

繁忙期に耐える仕入れ

当店の売れ筋商品は「NINTENDO SWITCH(ニンテンドースイッチ)」の本体やソフトなどだ。これらの商品は、クリスマスのタイミングなどに、他の店舗では品切れになることも多かった。当店は、繁忙期でも在庫を保てるよう、仕入れの面を重点的に強化した。2020年は、これまで扱ってこなかった、ゲームの周辺機器やコントローラーなどを拡充したい。



■ おもちゃ・ホビー・ゲーム 「スーパーフジの通販 FUJInetshop」


ノンストアリテイル事業ネットビジネス課 課長 村尾純一氏

各商品の強みを分析

リアル店舗の運営と同じく、「立地と品ぞろえ」を突き詰めてECを運用している。「価格訴求で売る商品」や「価値を訴求して売る商品」など、商品ごとにアピールポイントを分析して明確にし、販売ページを展開している。スーパーでは多様な商品を取り扱うが、受賞部門において、こうした手法が大きな支持を得られたことが受賞につながったのではないだろうか。



■ CD・DVD・本《中古販売賞》 「VALUE BOOKS」


販売部 市川雅俊氏

驚くレコメンドを強化

当社としては2回目の受賞となった。現状維持を目標にコツコツとやってきた結果だと考えている。2019年は「鬼滅の刃」や「キングダム」をはじめとしたコミックのセットが売れ筋商品となった。今後の課題としては、お客さまが「あっ」と驚くようなレコメンドの仕組みを作りたい。パーソナルな表示の仕組みや、ページ構成、商品ラインアップの強化を図っていきたい。
 
 
 
■ 楽器《大賞》 「chuya‐online」
〈「ダブルイヤー賞」も受賞〉


社長室・室長 久保山哲氏

増税対策が奏功

受賞できるとは思っていなかった。対策としては、増税の準備を2年前から準備してきたこと。商品を増やすことは常日頃から実施しているが、増税による消費マインドの低下や商品の価格設定もスムーズにできるように準備していったことで、増税を乗り切り、販促にもつなげていけた。今後の需要予測は難しく、厳しい戦いになるとも想定している。
 
 
 
■ 楽器 「島村楽器」


チーフマネージャー 宝蔵寺剛氏

内部体制の強化が奏功

今回で3年連続の受賞だ。内部の運営体制を強化したことが奏功した。各チームのスキルや業務の組み立て方、役割分担を見直したことで、より専門性の高い業務を実現。その点がお客さまの評価につながったと思う。「送料無料ライン」については、160サイズ以上が主流となるため、影響は限定的だ。ユーザーからすれば分かりやすくなるので、「楽天市場」を選ぶ理由になると思う。



■ スマートフォン・タブレット・周辺機器 「HANARO‐SHOP」


統括マネジャー 西川淳二氏

レビュー反映が奏功

顧客のレビューに書かれている意見を一つずつ反映させたことが受賞の要因になったと思う。商品について不満な点や、配送のミスなどを減らすことで、確実に顧客満足度が高まった。2019年は前年より多くの新商品を投入した。2020年は競合他社よりも、商品点数をさらに拡充し、売り上げにつなげていきたい。送料無料ラインの統一には、メール便で対応できるので問題はない。
 
  
 
■ スマートフォン・タブレット・周辺機器 「アンカー・ダイレクト楽天市場店」


代表取締役社長 井戸義経氏

「語り尽くせる」ページ作り

2014年に楽天市場に出店して以来、初の受賞となった。楽天市場は、他のECモールとは違い、商品について語り尽くせる商品ページ作りが可能だ。高機能な商品ほど、訴求力が高い売り場だと考えている。2020年は主力のモバイルバッテリーに加え、スマートプロジェクターやロボットの商品などを展開する予定だ。楽天市場では、今までにない商品を中心に展開したい。



■ スポーツ《NATIONS賞》 「野球用品ベースボールタウン」


代表取締役 熊谷健太氏

365日発送で差別化

ネーションズを経験できたことで、当社も成長することができた。販促経験を他の人たちに伝えられるようにマニュアル化し、売り方の知識が定着した。あす楽商品を増やし、在庫を持って販促できたことも有利に働いた。当社は、365日発送をしているため、それは他社との差別化につながっていると思う。増税の影響もあるため、新規顧客の獲得に向けた施策を実施していく。



■ スポーツ 「adidas Online Shop 楽天市場店」


eコマースバイスプレジデント ロバート・ポージー氏

楽天担当者との連携強化

楽天市場の担当者との連携を強化したことが受賞の要因だと考える。月に数回の頻度で担当者とミーティングを実施し、プロモーションやセールなどの施策を打ち出し、販売伸長につなげた。2020年はさらに新しいプロモーションを打ち出すだけでなく、期間限定商品、楽天との共同企画を提供して、成長につなげていきたい。送料無料ラインの統一については、コメントを差し控えたい。
 
 
 
■ アウトドア・レジャー 「OutdoorStyle」


サンデーマウンテン 黒川和也氏

物流と在庫管理を強化

2019年は物流と在庫管理のシステムを強化したことで、商品の発送量を大幅に増やすことができた。これが受賞の一番の要因だ。売り上げは18年よりも20%ほど増えていると実感している。2020年は新商品をさらに投入していきたい。PB商品を中心に、可能な限りラインアップを増やしたい。送料無料ラインの統一には、単価の低い商品を見直すことなどで対応していく。



■ アウトドア・レジャー 「Victoria L‐Breath楽天市場支店」


店長 西澤貴志氏

4年ぶり3回目の受賞

当社内で、お客さまに対応する態勢がきれいに整ってきており、それが4年ぶり3回目の受賞につながった。リードタイムなどを含め改善の取り組みを続けてきたことが実った。今年は、継続的に「お客さまファースト」の取り組みを実施していく。お客さまの声にしっかりと耳を傾け、その声に応えられる態勢を整え、満足していただける商品・品ぞろえの実現に取り組んでいきたい。



■ ゴルフ《大賞》 「ゴルフ プレスト」


楽天市場店店長 藤田一芳氏

ゴルフ以外にも展開

19年はゴルフ以外のスポーツの商品をいろいろと展開し、お客さまがついてきた。一方で、誤送を減らしつつ早く届けられる体制を整えた。人気商品については、在庫を確保し早く届けられるようにもした。今年は、ゴルフ・スポーツ以外の分野にも進出していきたい。ゴルフ以外の商品も扱っているということを認知してもらい、より多くの人に来てもらえるようにしていきたい。



■ ゴルフ《海外販売賞》 「ゴルフパートナー」


楽天市場店 eコマース事業部・ビジネス開発課・課長 久保田努氏

アジアで販売伸長

当社は、3年前から海外でも販売を行っており、その当時から需要が継続してあった。日本のブランド、そしてメーカーの品は人気があり、その中でも、少し型が古くなったものが売れ続けている。その実績がたまり、今回の受賞につながったのではないかと判断している。アジア圏では、台湾やシンガポール、マレーシア、タイ、韓国が伸びている。引き続き販売には注力していく。



■ ゴルフ 「アトミックゴルフ」


営業部 商品販売課 課長 山本剛之氏

倉庫新設で発送が向上

当社は広島にある。関東に倉庫を新設し、配送のスピードを向上させたことが奏功した。関東に住むお客さまにも注文の翌日には発送できるようになり、広島からの発送よりも1日短縮できるようになった。2019年9月期の売上高は前期比で10%伸長した。SOYの受賞は3度目。商品数を拡充し、お客さまがさらに選びやすいショップにしていきたいと考えている。



■ 車・バイク《大賞》 「オリックス自動車楽天市場店」


リース営業部 ダイレクト事業部長 井戸秀興氏

自動車リースが浸透

SOYは3年ぶりの受賞。久々の受賞をとてもうれしく思う。自動車リースというサービスの認知が、ここ数年で世の中に広がったことが追い風となった。その波に乗り取扱高は前年比10%増を残すことができた。ECでのサービスも勝ちパターンが確立しつある。着実に業績を伸長させていきたい。楽天さんはプロ野球の分野でも良きライバル。ともに高め合っていきたい。



■ 車用品・バイク用品《大賞》 「クレールオンラインショップ」


課長 西脇大樹氏

安売り以外の価値提供

リアル店舗を含め、各部署の情報共有を進めたのが一つの受賞要因となった。「自動販売機ではない」という考えのもと、型番商品について、「イベント」や「クーポン」といった、「安売り以外の価値」の提供に努めたことも大きかった。今年は、PB商品の開発を拡大する一方で、既存メーカーとの関係も強化。新規メーカーとの取引も拡充する。新しい取り組みを迅速にどんどん行う。



■ 車用品・バイク用品 「カーポートマルゼン 楽天市場店」


経営企画本部・購買部次長 池田昭太氏

在庫管理強化、機会損失減少

暖冬の影響で市場は厳しかった。しかし、一昨年やってなかった新商品の投入を軸に、戦略的に販売を行った。投入した新商品も売れたが、何より在庫の管理をしっかりと調整できるようになり、販売機会の損失を極力少なくできた。同じ商品を同じように販売しても売れない。商品軸から考え直し、同じ商品のサイズの拡充を含め、仕入れから見直しなどを行った。

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