2024.10.06

槙田商店、職人による織物の傘で魅力発信 ビニール傘にはない風合いとデザイン性

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kirie 更紗 レイクブルー

傘や服地などの製造卸の槙田商店は、2010年から自社の織物を使った傘のオリジナルブランドを立ち上げ、ECサイトも運営している。傘を通じて山梨全体の織物の魅力の発信につなげている。

同社は糸を染めてから織る「先染め」の織物を製造している。「先染め」は、発色の良さや奥行きのある色味が特徴だ。傘のカーブや角度で光が反射して色合いが変化し、織物のデザインを際立たせている。EC以外にも店頭や催事で販売しており、プリント生地やビニール製の傘にはない風合いとデザインに、来店者が驚くこともあるという。

テキスタイルデザイナーや傘職人が社内に在籍し、傘生地から傘の組み立てまで内製化している。柄が継ぎ目で切れずひと続きになったデザインも製造する。


▲傘の組み立て工程

織物は表と裏で色が反転するため、傘の内側と外側で印象が異なる。「傘を差した時に自分から見えるデザインを楽しむこともできる。明るい気持ちになってもらえるのでは」(担当者)と話す。

サイト集客は傘利用に関するコラムページ「読み物」が役立っている。これまで飛行機や結婚式での傘の持ち込みや紫外線対策についての情報を取り上げた。作るだけではなく、快適に使い続けてもらうためのフォローとしてもコラムを位置づけている。傘の修理対応とともに、安心感につながっているとみる。

同社は、高級織物の一つである「甲斐絹」(かいき)の卸問屋として1866年に創業した。その後、傘生地と傘のOEMを開始し、2008年のリーマン・ショックを機に直販に乗り出した。

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