2020.07.06

【記者コラム】「STAFF START」大躍進で思い出した『クラシコム青木代表』『オムニコンサル逸見さん』の言葉


青木代表が求めた「モビルスーツ」


クラシコムの青木代表からは、こんなお話を聞きました。

「私もECにおいてどういうシステムが望ましいのか考えることがある。システムをロボットで例えると、アマゾンの仕組みは『AI(人工知能)ロボット』。レコメンド機能などを搭載し、人の手を極力不要にする方向性だ。楽天は『ラジコンロボット』。安価で汎用性はあるが、できることは限られている。一方、中規模の私たちのようなプレーヤーには、ガンダムのような『モビルスーツ』が必要だと思う。コアシステムには人間という高度なパーツを使っており、人の力を拡張できる」

2015年のインタビューでの聞いた話です。青木代表がこのモビルスーツの好例として挙げていたのが、ZOZOグループで提供しているファッションコーデアプリ「WEAR」でした。青木代表は、「WEAR」で見たアイテムをシームレスに「ZOZOTOWN」で購入できる仕組みに感激しており、「ZOZOに入社したいくらいだ」と話されていたのが印象に残っています。

逸見さんが目指した「人間力EC」とは


オムニチャネルコンサルタントの逸見さんからは、キタムラ時代から「人間力EC」という言葉をよく聞きました。「カメラのキタムラ」にはカメラに詳しいスタッフがたくさんおり、その力を最大限発揮するためにECの仕組みをリアル店舗でも活用しています。カメラ好きの顧客が、リアル店舗でカメラ好きのスタッフに相談し、スタッフはECシステムと連携したタブレットで商品を案内し、リアル店舗に在庫がない商品も店頭で自在に販売できる仕組みを構築していました。スタッフの力を制限しないための仕組みを構築していたわけです。

新型コロナウイルスによってリアル店舗の運営が制限されたことにより、EC化の流れは加速しました。ただ、EC化といってもこれまでのように、目的買いだけのためのECでは成長は限定的だと思います。雑誌を見たり、店舗でスタッフから薦められたりして、購買を喚起する仕組みがECにも求められています。そのためには人の力をECで最大限発揮する仕組みが必要になります。「STAFF START」はこの領域でリードしていると思います。

2人のキーパーソンも教えてくれたように「人×EC」がさらに発展すること、それを支援する仕組みが「STAFF START」だけではなく、もっと登場してくることを、一人の消費者としても期待したいと思います。

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