2020.02.06

〈マスク需要10倍も〉 除菌グッズの売れ行きも伸調

写真はイメージ/Photo by Macau Photo Agency on Unsplash


生活用品などを販売するEC事業者の間で、新型コロナウイルスの感染予防を目的としたウイルス対策商品の需要が拡大している。20年1月のマスクの売れ行きが、前年同月比で10倍以上になった企業もある。除菌グッズなどの売れ行きも大きく伸びている。マスクが通常の数倍の高額な値段で販売されるケースもあるという。


各社が増産に動く

生活用品などを販売し、楽天市場で「ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2019」を受賞したベイシアでは1月、実店舗とECの両方で、マスクの売り上げが前年同月比で10倍以上を記録したという。「ECでも販売すればすぐに売り切れてしまうため、今は販売を取りやめている」(販売促進部・金内正太郎マネージャー)としている。ベイシアでは、2~4月には、花粉症対策によるマスクの需要を考え、PBのマスクの増産を計画している。在庫の確保に努めるとしている。

手芸用品などを販売するシモジマでは、20年1月のマスクの売り上げが、前年同月比で数倍になったという。マスクの他には、消毒液などの除菌グッズが売れているという。

小林製薬では、ECを含めた全社の、20年1月の1カ月間のマスクの出荷量が、平常月比で約30%増になったとしており、増産を計画しているという。

「SOY2019」グランプリのMOA(モア)も「ECでは、昨年同月比で4倍の受注数となっている。早い段階でメーカーから情報を得たため、十分に在庫を確保できた。マスクの他、消毒液や除菌剤、薬用ハンドソープ、体温計などが売れている」(広報)としている。「増産しないというメーカーもあるため、品薄状態はしばらく継続しそうだ」(同)とも話している。

「適正な値付け」を

生活用品を扱うEC企業各社で、マスクの品切れが発生しているようだ。ウイルス対策の需要を捉え、「楽天市場」では、定価数百円のマスクのセットを、6000~7000円で販売している店舗も見受けられる。

楽天では、「出店店舗に関する『規約』においても、災害に乗じて価格変更することについては控えていただきたい旨を定めている。お客さまが安心安全に利用できるよう、店舗と適切な対応を進めていきたい」(EC広報課)としており、適切な値付けを行うことを求めている。

越境ECにも影響


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中国に向けた越境ECにも、ウイルス感染の拡大は、影響を与えているようだ。ある越境ECの物流支援を行う事業者によると、「中国向け配送は、春節とマスクの出荷が集中したことにより、郵便が一部荷受けを停止している状況だ」としている。

中国向け配送支援のECMSジャパンは「現在、当社のサービスについては、配送不可地域の湖北省を除いて、通常通りの配送サービスを提供しているが、旅客減少によるフライトの運休などが増えると、リードタイムに影響する可能性がある」(小松英樹社長)と話している。

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